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契約的束縛外伝・自由への扉ー
第30章 命の重さ2ー盟主の慟哭ー
私は悠真の奥様と過ごす時間が嫌いではなかった、素朴だが私に一生懸命日本の事を教えてくれるあの奥様、それを聞き珍しい日本食を食べ‥‥
私の半分の血である日本は、私に快さを齎らせてくれていた。
「何故私は後になってから気付くんでしょう‥‥それともそれが私の運命‥‥
それは辛い運命です‥‥‥」
ミアも‥‥
2人のアドルフも‥‥
パウリーネも‥‥
そして悠真と奥様も‥‥
大切な者の変化、それを悉く見逃し気付いた時は手遅れ‥‥私はそんな事ばかりだ‥
気を付けている筈なのに、何故か見逃してしまう‥‥そうルークの事も‥‥
それが力を持ち産まれた私の運命、この世で最も残酷な運命、誰も代わりが出来ない運命‥‥逃れる事が出来ない私の運命。
(考え無い‥‥そう思っていましたのに‥‥)
薄々は気付いていた‥‥
だが考えるのは辛いと避けていた事、考えてしまうと私は動けなくなる、だから考える事を止めた、私なりの自己防衛なのだろう。
「戻らなければ‥‥‥」
理由を付け出て来たが、このまま帰る訳にもいかず病院内に戻る為に歩き出す‥
戻って来ても悠真の上司は先ほどのまま、という事は悠真もまだ病室のまま、邪魔をする事も出来ず私もまたロビーにある長椅子に腰を下ろす。