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契約的束縛外伝・自由への扉ー
第31章 ルークの暗躍-沈黙の10年
(‥‥足音を消して俺に近付く気配、俺にこんな事をして、タダで済むと思っているのか?)
例え寝ていたとしても、反射的に武器を握る‥‥それが物心が付く前から武器を握っていた俺の習性、繋ぎと暗躍と暗殺の賢人の本能‥‥俺はそれしか知らない。
気配が奥の部屋に入った時、俺は戸口に銃口を合わせた‥
そして向こう‥‥トルホフも俺に拳銃を向けている。
「やっと本性を現したかトルホフ?
それとも俺が先に手柄を立てた癇癪か??」
「ふんっ、何とでも言え‥
お前が持つノウハウを俺に寄越せガルシア」
「人身売買か?
持ってどうする、お前が上に上がるのかよ‥‥二番煎じは無理だろうがな、それに俺が持つノウハウはそれだけじゃ無い」
「ご託を並べるなーー!!」
パンッ!パンッ!とトルホフが拳銃の引き金を引くが、俺は既にベッドには居らず、一足飛びでトルホフに詰め寄り、その頭に拳銃を突き付けていた。
「これで正当防衛成立だ‥‥」
「ガルシア貴様‥‥」
「初めから鬱陶しかったんだよお前は、俺の邪魔ばかりしやがって‥
だがこれで清々出来る」
「銃も撃った事が無いお前がか?」
「そっちが気付かなかっただけだ、俺は引き金を引く事に何の躊躇いも無い、人が死のうが動揺する事も無い‥
産まれた時から裏社会しか知らない俺とお前の差だ」
パーン!と銃声が鳴り響く、俺が引き金を引いた音‥
トルホフは頭部に銃弾1発で即死だろう、返り討ちと分からせる為にワザと拳銃を使った。