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契約的束縛外伝・自由への扉ー
第33章 ルークの帰還-雲の上のパウリーネへ‥
彼女は自分を連れ立って、ロッチまで案内してくれた‥
中に入っても素朴できらびやかとは無縁の環境、だけど随所になんと言うんだろう‥‥温かみのようなものを感じる。
「なにも無いところだけど、パウリーネおばあちゃんが居た頃と変わってないわ‥
パパとママとおばあちゃんと私、4人で暮らしていたのよ」
「‥‥失礼だがご両親は??」
「‥‥事故で‥‥
パパが運転していた車が事故にあって、一緒に乗っていたママも帰って来なかった‥
だからね、私を育ててくれたのはパウリーネおばあちゃんなの」
「それは‥‥辛い思いを‥‥」
台所に居た彼女がホットミルクを持って来て、自分と彼女は居間にあるテーブルに付いた。
「こんな物しかありませんがどうぞ‥
あっ、自己紹介がまだでした、私はアメリア・フランクと言います」
「‥‥ルーク‥‥
フルネームは事情があって勘弁して欲しい」
「‥‥ルーク‥‥さんですか?」
「‥‥‥‥‥ええ‥‥‥‥‥」
彼女の‥‥アメリアの行動仕種がパウリーネを思い起こさせる‥
無意識だろうが、ふとした行動がパウリーネにそっくり、そして自分の名前を呼ぶ仕種も‥‥
「‥‥フルネームはダメって、ルークさんは悪い人なんですか?」
「どうしてそうなるかな?
ただ‥‥ある人との約束で、自分‥‥いや俺の出自は証さない、そう約束させられたんだ」