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契約的束縛外伝・自由への扉ー
第33章 ルークの帰還-雲の上のパウリーネへ‥
「??
その人もパウリーネおばあちゃんのお知り合い?」
両手でカップを持ち首を傾げる仕種もパウリーネにそっくり、まるで幻を見ているような気分、それが今の自分に合っているような気がする。
「ああ‥‥俺はその人に言われて此処に来たんだ、言って置くが悪い人じゃ無いからな?」
「くすくす‥‥
ごめんなさい、いきなりパウリーネおばあちゃんに会いに来られたからつい‥
おばあちゃんって、若い頃の話は殆どしてくれなかったんです、ただ人に助けられて此処スイスに来たとだけ、だから知っているんじゃないかって思った‥‥スイスに来る前のパウリーネおばあちゃんの事」
「‥‥‥‥‥‥‥」
何処まで話して良いんだろうか?
パウリーネが話さなかった事を、自分が話しても良いのだろうか‥‥かなり隠し事は多くはなるが。
「‥‥‥ドイツ‥‥‥」
「‥‥‥えっ??」
「パウリーネ‥‥さんはドイツ産まれ、ミュンヘンに居た事は知っている、そして戦争を逃れるようにスイスに来た」
「おばあちゃんってドイツ人だったの‥
私それすら知らなかったです、パウリーネおばあちゃんで知っている事は1つ、おばあちゃんが好きだった人は、ルークさんのような地中海系イタリア人だったという事だけなんです」
「それはパウリーネさんから?」
「おばあちゃんが、私を寝かせ付ける時に時々語ってくれた寝物語‥
素敵な人で、おばあちゃんを大切に大切にしてくれた、まるでお姫様のように‥‥おばあちゃんの口癖」