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契約的束縛外伝・自由への扉ー
第33章 ルークの帰還-雲の上のパウリーネへ‥
「‥‥‥そうか‥‥‥」
大切だった、大切にしていた‥
殆どが居城の外で逢える時間は限られてはいたが、俺に取ってパウリーネは何よりも大切だった。
「他に知っている事はありませんか?」
「知っている事‥‥‥」
居城の‥‥Cross sels(クロスシールズ)が関係している事は話せない、となるとミュンヘンでの話になるが、考えてみればパウリーネは娼婦時代の話は俺にはしなかったんだ‥‥話したくなかったんだろう。
「・・・
花が好きなロマンチストで、一面花でいっぱいが一番喜んだ‥
だけど心は誰よりも強く、どんな事にも屈しない性格‥‥俺が知るパウリーネさんはこんな感じ」
「うん、おばあちゃんは花が好き‥
生きていた頃は、この家の回りに沢山の花を作って‥‥でも散る時、懐かしそうな悲しそうな顔をしていたのが印象に残ってる、何を考えて見ていたんだろうね」
「舞い散る花‥‥‥」
思い出すのは‥‥あの中庭の庭園‥‥
パウリーネと愛し合いながらも、舞い散る花を見ていたあの時、そう言えばパウリーネは『おとぎ話のお姫様になったみたい』なんて言って、舞い散る花を楽しむようにはしゃいでいた。
パウリーネは此処に来て、同じく舞い散る花を見て悲しんでいたのだろうか?
そしてそれは俺のせい‥‥‥