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契約的束縛外伝・自由への扉ー
第33章 ルークの帰還-雲の上のパウリーネへ‥
「・・・・・・・」
パウリーネの部屋は簡素というのか、あまり物が無いというのか‥
ベッドとミシン台を兼ねた机、椅子を兼ねた衣装箱、そして窓際にロッキングチェアとシンプルな物ばかり。
だが一番目を引くのは壁の飾り棚、そこには沢山の写真と、ガラスの扉が付いている棚の中に大切に飾られてある品々、それは‥‥‥
「‥‥‥ピンクサファイア‥‥‥」
そう‥‥あの夜会の時に身に付けたイヤリングを中心に、俺が外から戻った時パウリーネに贈ったピンクサファイアのネックレス達、最後に盟主が贈った階級ピアスが飾られてあった。
「凄いでしょう?
好きだった人が、パウリーネおばあちゃんに会いに来る度に贈られた品なんですって‥
ただねイヤリングだけは片方だけ、もう片方は好きだった人の元に置いて来たと、パウリーネおばあちゃんは話していたわ」
「ピンクサファイアのイヤリング」
つい上着のポケット‥‥正確にはポケットの中にある物に触れてしまう‥
中にはもう片方のイヤリング、何故か持って来たくなってポケットに入れていた。
「素敵よね、会いに来る度贈るなんて、それも全て石と加工の形が違うの‥
それなのにパウリーネおばあちゃんは、好きな人と別れたのかな?」
「‥‥さあ‥‥
ただ戦時中の話だから、相手に何かあったのかも知れない」
「凄く古い話ですもの‥‥‥」