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契約的束縛外伝・自由への扉ー
第33章 ルークの帰還-雲の上のパウリーネへ‥
確かにもう何十年も昔の話‥‥なんだ‥‥
俺にすれば、そこまで古い話とは思えない、このピンクサファイアを見ていれば鮮明に思い出す、数少ない幸せだったパウリーネとの日々を、パウリーネがどんな話をしていたのかまで全て。
(‥‥‥写真??)
沢山飾られてある写真なんだが、パウリーネらしい女性は写っていない‥
金髪らしくそして少し掘りが深い顔立ちの美女、多分これがレーネ・フランク‥‥俺とパウリーネの子供。
レーネの写真は沢山あり、だけど写っているのはレーネ1人‥
そして大人になったレーネの隣に男性が入り、その後は2人と子供を抱いた写真、順調に育ってはいるが、居たであろうパウリーネの姿だけが無い。
「‥‥パウリーネおばあちゃんは写真が嫌いで、こうして写しても必ず外に出ていた‥
だから残っている写真は1枚きり」
「1枚?」
アメリアが手に取ったのはベッドに一番近く飾られていた物、それを俺に手渡してくれたんだが、懐かしさと共に悲しさが付き纏う。
「‥‥‥半分‥‥‥」
それは居城で写した唯一の写真‥
盟主の気まぐれだったんだが、夜会の時に俺とパウリーネを並べて写真を写した、これはその時の‥‥半分、パウリーネの分だけ。