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契約的束縛外伝・自由への扉ー
第33章 ルークの帰還-雲の上のパウリーネへ‥
「‥‥‥ルークさん‥‥‥」
目に入るのは、おばあちゃんの写真達、その中でも半分だけの写真にルークさんは興味を示していたよね?
多分この写真だけはスイスで撮った物じゃ無い、だって少女のように若いパウリーネおばあちゃん、豪華なドレスと宝石それに何よりも片方しか無い筈のイヤリングが両方揃ってる。
「結婚式みたいな写真‥
半分はやっぱり好きな人だったのかな?」
かなり分かりにくくなっているけど、おばあちゃんが写る後ろ‥‥石造りのお城のような感じも受けるし、回りは花でいっぱい‥
お城か教会だとすれば、結婚式の写真で当たりなの??
「最後まで教えてくれなかった‥
この写真にルークさんは関係あるの?パウリーネおばあちゃん??」
ルークさんは、パウリーネおばあちゃんの好きな人を知っていると言った、おばあちゃんの話の通りの地中海系の人‥‥男の人‥‥
私が覚えている中で、大人の男の人に抱き締めて貰ったのは、事故で死んだパパくらい‥‥それも子供の頃の話‥‥
なのにあんな風に抱き締められて驚いた、しっかりと私を支えてくれたあの腕に逞しい躰、そして‥‥熱いぬくもり‥‥
「‥‥‥でも‥‥‥」
私を抱き締めたルークさんが言った言葉は『パウリーネ』‥
微かな声だったけど聞こえてしまった、パウリーネおばあちゃんの名前を呼び捨てで紡いだ言葉。