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契約的束縛外伝・自由への扉ー
第34章 パウリーネ-天空の天使



その後は2人は街に残り、俺ともう1人運転している女性だけで移動、これはトラックが2人乗りの為、来る時は1人は荷台に乗って来たらしい。



「‥‥朝靄に包まれる、こういうのはスイスもドイツも変わらない」


「同じアルプスですもの、山に変わりはありませんよ?」


「そうだな同じアルプス連峰に変わりはない、山は変わらずか‥‥」


車から流れる景色を見ながら、それもそうかと思ってしまう‥
発展の仕方が違っただけで、山という自然は変わらない‥‥俺が見失っていただけの事、山を見る暇すら無かったから。




山の上のアメリアの家に着いたが、パウリーネの眠る場所は家向こうの小高い丘の上、幾ら小型トラックでも家の前を通ればエンジン音でアメリアに気付かれる。



(待てよ‥‥エンジン音がしなければ通過出来ないか?)


「なあエンジンを切って、ブレーキを掛けずバンドルを握っていてくれ、俺が後ろからトラックを押す」


「ですがこんな道も無い山です、トラックが動く訳が‥‥」


「俺の腕力を信じろ」


「分かりました」


エンジンを切ったと同時に俺はトラックから飛び出し荷台の方に回り、渾身の力を込めてトラックを後ろから押し始めた。


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