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契約的束縛外伝・自由への扉ー
第34章 パウリーネ-天空の天使

大型じゃないんだ、この程度であれば抑えている力を調節すれば簡単な事、素早くとはいかないがトラックは確実にアメリアの家を通り過ぎ、その向こうの小高い丘の中間まで動かす事が出来た。
「朝靄が晴れるまで終わるか‥‥」
「私も頑張りますので、一面薔薇にしましょうガルシア様」
「ああそうだな」
トラックいっぱいの白薔薇を抱え、丘の上に上がれば始めて見るパウリーネが眠る場所‥
この敷地のどの場所よりも見晴らしが良く遮る物は何も無い、そこに立つ十字架の墓‥‥如何にもパウリーネが眠るのに相応しい場所だ。
その回りに隙間なく白薔薇を置いていく俺、昔は薔薇の花束だったが、今のパウリーネに相応しいのは薔薇のリーフ、これがしたくてわざわざ麓で作って貰った物。
トラックから全ての白薔薇を下ろし終え、墓の回りを白薔薇だらけにしてから、最後に十字架の墓に白薔薇のリーフを掛け、その上にピンクサファイアのネックレスを掛けていく‥‥何個も何個も持って来た全てを。
「‥‥まだアメリアは寝ている時間なんだな?」
「ええ、アメリア様は朝靄が晴れる頃に起きるのが普通です」
「だとすればまだ間に合うか、少し家の中に行って来る、欲しい物があるんだ」

