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契約的束縛外伝・自由への扉ー
第34章 パウリーネ-天空の天使

「‥‥これが本当の現実‥‥‥」
パウリーネの墓の前で膝を折る俺‥
その石に刻まれているのは『パウリーネ・フランク此処に眠る』、俺にすればなによりも痛烈な現実、パウリーネは既に土の中だと思い知らされる‥‥嫌でも‥‥
「なあ‥‥あの後幸せだったのか?
忘れて幸せになれと言ったのに、子供を育てる為の一生涯だったなんて‥‥どうして言ってくれなかった、どうして相談してくれなかったんだよ‥‥一言でも聞いていれば一緒に考えたのに、どうして1人で決めてしまったんだ」
取り返しが効かない事は分かっている‥‥
全て過去の話だと分かっている‥‥
何もかも遅いと分かっている‥‥
それでも最後に口に出さないと済まない思いだってあるんだ‥
心から愛していた故に、後悔と悲しみが付き纏うんだ‥‥
最後だからこそ全て吐き出したいんだよ、俺の心の中にずっとあった凝りを全て‥
俺の独り言でも良いんだ、数十年分の懺悔なのか?
心の内に隠していた俺の本音、言えるのはこれっきりしか無いんだから。
「一緒に年を取れればどれだけ良かったのか、俺があんな事にならなければ一緒に居る事が出来たのに、俺は‥‥その運命を手放して、パウリーネを悲しませただけ‥
‥‥全て俺が悪い‥‥」

