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契約的束縛外伝・自由への扉ー
第34章 パウリーネ-天空の天使

盟主の為、Cross selsの為と駆けずり回った俺が隠した本当の心‥
Cross selsから抜け出す事が出来ない俺は、運命が変わってしまった事すら盟主の為としか言えなく、ただパウリーネと居れればそれだけで良いという心を隠した。
盟主の為は嘘じゃない、あの方のお役に立てる事‥‥それが俺の生きている意味の1つ、俺の存在意義。
その裏でパウリーネが居る事は、俺に取ってかけがえのない存在であり、俺の男としての幸せそのもの‥‥‥だったんだ。
「‥‥今更と笑うか?
居城での俺が言えなかった事を、今更ぶちまけるなんて‥‥パウリーネでも笑うよな‥‥今更だと軽蔑するよな‥‥情けないと思うよな‥‥俺は‥‥‥」
項垂れながらの後悔の言葉、そこに見えるのは2つ揃ったピンクサファイアのイヤリング、お姫様のように着飾ったパウリーネが身に付けた、一番幸せだった頃の名残、俺とパウリーネの愛情の証。
分かっている、後悔と共に捨てなければ俺は前に進む事が出来ない、パウリーネを心の小さな欠片にしなければ、これから先をやっていく自信が無いんだ。
盟主がドイツから離れようとしている今、心の整理をしっかり付けないと、また居城に帰れなくなりロシアであった事と同じ事をしてしまう可能性がある。
女に気が向かないのは良い、だが冷たく女を食い物にしてしまう可能性、多少でも心があれば抑制が掛かるだろう、だが今の俺にはそれが無い‥‥心はパウリーネにしか向かないから。

