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契約的束縛外伝・自由への扉ー
第34章 パウリーネ-天空の天使



何時までも膝まづいていてもと思い立ち上がれば、朝靄は完全に消えアルプスの山々がはっきりと見える‥
それに吹く風に白薔薇が揺れ、沢山掛けたネックレスがシャラシャラと綺麗な音を奏でる幻想的な光景。



「‥‥綺麗だな‥‥
これで花びらが舞えば‥‥‥」


そう言葉にした途端ひときわ強い風が吹き‥‥‥それも白薔薇の花びらが舞っている!?



「‥‥‥っっ!?!?」


思わず手で花びらを避け、収まったと思った瞬間に‥‥見た‥‥‥幻を‥‥‥



『‥‥‥‥‥ルークさん‥‥‥‥』


「‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥」


それは神の奇跡なのか、本人の強い思いなのか‥‥‥
手を下げた向こう、丘の更に上に透けるように浮いている‥‥‥純白のパウリーネの姿‥‥‥


俺でさえ驚いて身動き1つ出来ず‥‥
いや、あまりにもパウリーネを思うが故の俺の妄想なのか??



「‥‥‥‥‥‥‥‥」


『‥‥泣かないで‥‥
ルークさんまた泣いてる‥‥
‥‥嘆かないで‥‥
私は幸せだったのよ?』


「‥‥‥パウ‥‥‥リーネ‥‥‥」


フワフワと浮いているパウリーネの姿が動く‥‥俺の方へ‥‥
両手を広げて、昔のようにパウリーネの腕が俺の首に回る‥‥


反射的にパウリーネの腰に手を伸ばしたが、透けているパウリーネに俺は触れられない‥‥
だがパウリーネの腕‥‥俺の首に微かなぬくもりを感じるんだ。


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