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契約的束縛外伝・自由への扉ー
第34章 パウリーネ-天空の天使

「‥‥‥うそ‥‥‥」
白いドレス風の衣を纏い、舞う白薔薇の花びらが天使の羽根のよう‥
私と同じ金色の髪にグリーンの瞳でルークさんに微笑み、フワッと動いたと思ったらルークさんに‥‥抱き付いたの。
『‥‥‥泣かないで‥‥‥』
声は若いけど確かにパウリーネおばあちゃんの声、ルークさんも抱き締めるように腕が動き‥‥途中で止まった?
おばあちゃんは透けていて‥‥触れられ無いみたい。
『パウ‥‥リーネ‥‥なのか‥‥』
躊躇いながらも、しっかりとパウリーネおばあちゃんだと認識しているルークさん‥
まるで白薔薇が魅せる幻‥‥愛しい恋人同士の抱擁‥‥そしてやっぱり動けない私。
「‥‥‥‥‥‥‥」
悲しい顔‥‥
愛しい顔‥‥
大人の顔‥‥
少しの間に色々な表情を見せ、色々な事を話す2人‥
喜怒哀楽全てを包み隠さず相手に見せる、これが本当の愛の形、私の知らない大人の愛情。
(私じゃ‥‥‥敵わない‥‥‥)
どうして若いままとか、消えたピンクサファイアのイヤリングとか、どうでもよくなった‥
こんな2人を見ていたら、他なんて些細な事‥‥勿論私のもう一度ルークさんに会いたかった気持ちも全て。
この幻のような会合に敵うものなんて無い。

