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契約的束縛外伝・自由への扉ー
第35章 遺跡と遺物-自由への扉

「‥‥ハールマン‥‥」
建物は簡素、作りはコンクリート製だが1部屋か2部屋しか無く、置いている物も生活に必要な最低限の物だけ。
ただ1つ目立つのは、壁に掛けられた私と会う前から所持していたあのナイフ‥
もっと楽に暮らせる方法もあったと言うのに、ハールマンは頑としてこの本部遺跡から離れる事だけは拒絶した。
「・・ご主人様・・珍しい・・
こんな場所に来ても何も無い・・」
「ハールマン、貴方に話があり此処に来ました」
「俺に??
・・俺はもうご主人様の役には立たない、老いぼれたジジイの俺ではもう」
「そこまで年には見えませんよ」
80も超えたというのに真っ直ぐ伸びた背筋、髪は白くなりましたが昔と変わらない口調、本人は老いぼれと言うが、普通基準で考えれば年よりは遥かに若い方。
「昔のようにはいかない、ご主人様の役に立たない、俺は此処でこうしているだけで良い」
「‥‥役に立ちたいですかハールマン、貴方しか出来ない事が1つあります」
「俺にしか・・出来ない事・・」
漸く話の糸口、ですがこの話はハールマンに死ねと言うのと同じ事‥
流石に躊躇いはあります‥‥私でも‥‥

