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契約的束縛外伝・自由への扉ー
第35章 遺跡と遺物-自由への扉

次の日、私とハールマンは自家用ジェットで一度ベルリンを経由し、列車でハノーファーへと向かう‥
列車ではハールマンの希望、ハノーファー中央駅に思い入れがあるらしい。
「・・作りは同じだけど・・変わった・・」
「この駅舎は戦後に復興されたとか‥
それに見た目は同じでも、昔と今では使われる用途が違います」
「・・新しい臭いしかしない・・」
ハールマンはフラフラと駅舎の中を歩く、まるで行き場を熟知しているように‥
違いますね、知っているんでしょう、このハノーファー中央駅全てを、だからフラフラながらも迷い無く歩く。
(別段構いませんが‥‥
今のハールマンは、黒服を着た普通の男性、そうとしか思われない)
アリアンとの一件の後、ハールマンを居城の客間に連れて行き、風呂と多少雑多だった髪を切り揃え、服はCross sels(クロスシールズ)定番の黒服を用意‥
こざっぱりした好青年‥‥それが今のハールマンの見た目。
私の方は歩くハールマンの後ろを付いて行き、着いたのは駅舎の外れに近い、殆ど人気も無い外回廊。
「・・此処も綺麗になった・・
前は孤児の溜まり場、俺が男を捕まえていた場所」
「この場所で‥‥
駅舎に守られ人の出入りも多い、戦争孤児には打って付けの場所‥‥でしたか」

