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桜木母娘の奮闘記
第1章 敵


パチン




パチン





庭の方で、その音は鳴り止むことがなかった。


だから余計に、私はソワソワとしてしまう。





「いい香り…」




お茶を入れて、お盆に乗せる。



忘れずに二つ…いいえ、三つかしら。



それと簡単な和菓子を手に持ってサンダルを引っ掛け、庭に出ると待っていたのは目も眩むような世界。




パチン



パチン




少し歩くと、脚立のてっぺんに跨って木と睨めっこする彼が見えた。




「お茶にしましょうか」



お仕事の邪魔かしら。


でも冷めないうちに飲んでもらいたいわ。




「あ、冴子さん。
ありがとうございます」




まだ若いのに、その腕は一人前。


最初はただの感心だったものに、今では尋常でないほど惹かれてしまったのかもしれない。





「お菓子もおいしいものがあったらよかったんだけど…
前のお客さんで切らしちゃったみたいで」




「いいえ、お構いなく。
それじゃあお茶、いただきますね」





軽やかに脚立を降りてしまうと、彼はうんと伸びをした。




「お疲れ様です」



「ああ、ははは、まだ疲れてる場合じゃないんですけどね」




無理はしないで欲しい。


少しでも疲れているなら、布団の一つや二つ、用意してあげたくなる。




軽く笑った後に、彼と私は縁側に腰を下ろした。



でも、ああ、そう。



この空間に二人きりでいられたなら、私はどれほど幸せだろう。





「ほら、由美ちゃんもお茶もらお」





『…うん』





そう、彼が由美を退けてしまうような人であるわけがない。



由美は私の顔をチラリと見て、その視線を彼に移した。





ああ、この子は…








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