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手を繋ごう~愛憎Ⅱ~(復旧版)
第20章 夏子の恋
それに乗っかってしまった紘が



「新田夏子が好きだぁぁぁぁぁ!!!!」



と、どっかの番組みたいな主張を廊下で絶叫した時、ちょうど誠達の前を通りかかろうとしていた萌と夏子が、ビシッと固まりこちらを見ていて、廊下にいた他のクラスの生徒なども固まってこちらを見ている。

波留が

「乗っかてるんじゃねーよ、バーカ」

と、紘の頭をパシンッと叩いた時、ハッとした夏子が、バーッと現場を逃げるような感じに走り去って行くのを、萌が

「ま、待って、なっちゃん!」

と、誠をギンッと睨みつけ、追いかけて行く姿を紘は見て、膝をついて

「終わりだ…一生の終わりだ…」

と呟いていた。




誠と波留がまたコソコソと、

「マジホントバカ!紘がああ言うのに異常にノリが良い事知ってるだろ!」

「やっ、まさか叫ぶとは思わなかったんだもん」

「それでもお前!今日からアプローチしようとしてたのに、ありゃ可哀想だろ!」

「てか、二人好き合ってるんだから良くね?」

「バカ!プロセスって言うのがあるだろ、プロセスってものが!」

と、またコソコソ言いながらも、掛ける言葉がない二人は

「ど、どうしよっかぁ〜…」

と顔を見合わせ、誠は

「萌に託すしかない!」

と、他人頼りな事を言った時、チャイムが鳴った。

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