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手を繋ごう~愛憎Ⅱ~(復旧版)
第28章 迫り来る影
眠れない土日を過ごした誠と萌は、目を真っ赤にさせて、電車に乗っていた。

何故なら明け方近くまで、マナーモードが鳴るからだ。

見て見ると非通知表示。

今では200件を軽く超えている。

いい加減サイレントにして眠りにつこうとしても、そわそわして落ち着かない。

萌が

「まこちゃん…」

と、ぎゅっと抱き締めるのに、無言で抱きしめ返す。

自体は想定していた通りになりつつあるらしい。

想定していた…そう思っていても、豊からの直接攻撃がまだ無い状態では警察に行く事すら出来ない。

いや、もう通り魔という事と、唯のことで、警察は動きつつあるけれど、携帯キャリアのサービスに登録しようと、二人で相談しあい決めた。

その前に、ゆう達にも知らせなくては…と、電車の中でもぎゅっと二人で抱き締め合う。

そうでもしないと、自分がやられそうだった。


おはよー、校庭で挨拶が飛び交う中、ぎゅっぎゅっと、雪かき作業が終わった新雪が音を鳴らす。

昨日降った雪の影響で校庭は雪の残像できらきらと輝いていた。

今日は快晴。

眩しすぎる太陽を誠は目を細めつつ見て、萌に、

「今日、グループLINEな…?」

と、呟いた。

萌はぎゅっと、誠の腕を掴む。

そんな時、

バシュッ

誠の背中に何か衝撃が走る。

誠の体は警戒体制になってる為、ビクッと体を動かし、

「なんだぁ?」

と、背中を見てみる。

雪の跡。

ふっと心が和らぐ。


「誠ーおはよ〜!!」

腰にガッと腕を押すのは紘。

隣には夏子がいて、夏子は萌に

「おっはよ、萌」

と、声を掛けた。

紘は誠と萌の顔を見比べて、

「なした…?お前ら……」

と、呟く。


誠は苦笑いしながら、

「そんなに、顔に出てるか…?」

と笑った。

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