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手を繋ごう~愛憎Ⅱ~(復旧版)
第28章 迫り来る影
「どぉして、俺らに言わなかったんだよっ!」

紘は怒りながら教室のある三階へ向かってく。

「や…ちょっと様子が見たくて…」

そう言った誠に、

「それだったら遅いのっ!お前らこんなに目真っ赤にさせて、気付かなくてホントごめんな…」

そう言っている側から鞄が震えだす。

着信を見るのも怖い。

誠は紘に

「見てくんねぇか?」

と、鞄を紘に渡す。

ガサゴソとスマホを取り出し紘は呟く。

「非通知だ……」

しんと、四人はそこで黙り込む。

取り敢えず教室に向かうことにした四人はいつにもないクラスの雰囲気に怪訝な面持ちで近くにいるクラスメイトに紘が話をかけた。

クラスメイトは誠の顔を見ると、何も言わずに慌てて通り過ぎて行く。

教室に入ると、いつも誠の座ってる席に人だかりが出てきていた。

なんだなんだ、と、四人で輪の中に入る。

誠はサッと顔の血の気が引く様な気がした。

誠の机のサックに吊っておいてある、体育用のジャージがズタズタに破かれ、また、机も何かに掻かれた様にズタズタに傷が付いていたのである。


「ひっ」

萌は誠の机を見て、誠の腕に顔を埋める。

誠もその現場からいたくなく、萌を連れて、ズンズンと、階段の下までやって来た。

「誠っ」

紘はそう言って、今来たのか波留達3人が誠達を追いかけてくる。

壁にもたれたまま、萌はぎゅっと誠の腰元に抱きつき、誠は俯き、壁に寄りかかりながら、

「どうしよ…俺…」

と、呟く様に言った。

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