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手を繋ごう~愛憎Ⅱ~(復旧版)
第28章 迫り来る影
「まこちゃん、大丈夫だよ?みんな守ってくれるよ?私も守るよ?だから心配しないで?」

そう言う萌に

「そうだな。めちゃくちゃみんなに感謝しなくちゃな…」

誠はぎゅーっと、萌を抱き締めながら、そう言った。

いつまで続くのか分からないこの攻防。

けれど、誠にとって、朝やられたことはとてもショックだったに違いない。

萌はそう思った。

「気を取り直して。」

と、誠は真面目な顔をする。

「…ん。」

チュクチュク…

舌で乳首の愛撫をしながら、膣口を擦り付ける誠。

「あぁぁっんんっ」

どんどんと早くなる指の動きに

「あああああっ!!」

萌は絶叫した。




(やっちまった…)

情事が終わり、裸のまま寝ている萌の隣で、誠は額を手に俯く。

不安が誠の行動をいつもの誠じゃない方向に持って行ってしまったらしい。

(やっぱり、敏感になるよな?)

萌の頭を撫でながら、誠は思う。

11年、毎日のように顔を合わせて来て、半年付き合って。

11年間幼馴染を続けていても、萌をもっと知れた半年間で、きっとこれからももっと知ることが出来るのだろう。

(俺は憶測を持ち過ぎだな…)

そう思いながら、ぎゅっと、萌を抱き締める。

抱き締めるだけじゃ足りないくらい、萌の事が好きで、大好きで仕方がなくて。

(なのに、なんで邪魔をするんだ。榎本)

誠の目に怒りが出て来た瞬間。

お人好しだのなんだのと言われたが、今日の萌の泣き顔でようやく決心が付いた。

唯をあんな風に傷付けて、みんなを不安がらせて、

(あいつはなんで、そこまでしてみんなを苦しませたいんだ)

ぎゅっと拳を握り締める。

戦闘の準備が整った。

(いつでもかかって来いや。あの馬鹿野郎)

不安じゃないんだ。

立ち向かうんだ。

そう思いながら、萌のぬくもりを抱き、誠はルームライトを消した。



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