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手を繋ごう~愛憎Ⅱ~(復旧版)
第28章 迫り来る影
唯は口を開く。

「最初は、話を掛けられて、ちょっと良いな…そんな風に思っただけなんです。」

と、豊について語り始めた。

「それっていつ頃?」

そんなゆうの問いに唯は

「6月ごろです。最初はたわいのない話ばかりをしてました」

「その後変化があったのは?」

そんなゆうの問いに

「9月くらい?なんか、とにかく隣で一緒にいて、話し掛けられて、ああ良いなって思って」

「それで10月に告白したのね?」

唯は俯きながら

「…はい。」

と答える。

たちまちゆうが、豊に対して許せない感情が芽生える。


「その後の事は…お医者さんの所見で分かってる部分があるから良いの。ただ、何か変わった言葉とかは何か言ってなかったかな?」

「川仲くんと萌を引き裂いてくれって。そうしたら付き合ってやるって。
…あと、川仲くんのバイトの名前もどこか聞かれました。言ってる事が矛盾してるのに気付いてるのに、榎本くんに振り向いて欲しくて…」

その言葉に

「答え…ちゃったんだよね?」

と、聞くと

「…言いました。榎本くんがそんな事してるなんて知らなくて!私も体を求められてるのが愛情じゃなくて、性の捌け口に利用されていたって、どこかでわかってたのに、榎本くんはそんな人じゃないって思ってて…。
でも今から思えばレイプをされてました。やめてって何度も言ってるのに辞めてくれなくて…。ごめんなさい。ごめんなさいっ」

謝る唯に

「ううん。大丈夫。貴女が謝る事じゃない。でも、言いたいのは、これからは、体をちゃんと守る事。分かったかな?」

その言葉に

「…はい。」

と頷く。

「あと、他に何かやってた事はあるかな?」
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