この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
手を繋ごう~愛憎Ⅱ~(復旧版)
第28章 迫り来る影
「…ようやく、明日だ…」
待ち望んでいた日がやって来た。
豊は呟く。
あいつがいなくなる事が夢だった。
何故あいつだけ幸せなんだ…そう思いながら高校生活を送って来た。
だから…。
手に治めているバタフライナイフを見つめる。
「人、集めたぞ」
マサトの協力料は高いものだったが、自分のやる事は正しいと言い聞かせ、豊は立ち上がる。
震える手は武者震いだ。
そう自分に言い聞かせ、黒いニット帽と黒いレザーコートを身につける。
全身黒ずくめになり、豊は街へと消えた…ーー。