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手を繋ごう~愛憎Ⅱ~(復旧版)
第29章 血と機転と夢
「さぁ、死なない程度に、やったよ。榎本豊くん」

そう言って誠を一人が羽交い締めをする。

「え、榎本!」

「バカヤロウ!!てめぇなんでここまで出来るんだ!!」

紘と波留の罵声が飛ぶ中、誠は一人冷静になっていた。

「榎本、早く出て来いや、バーカ」

クククと笑い誠は激しく殴られため、嗄れ声で豊を挑発する。

「それともあれかぁ?ここまでやっといて怖気づいてんのかよっ!早く出て来いや、榎本!!」

そう言う誠に波留と紘が

「バカヤロウ!なんで挑発してんだよ!」

「てめぇが死なねー為にこっちはやってたんだよ!その…」

と言う言葉に

「るせぇ!!」

と、波留と紘が蹴られ、気を失ったのか声が聞こえなくなった。

それに苛々した誠は

「てめぇのせいでみんな傷ついてんだわ。傷つけるんなら俺だけにしろや!」

誠の言葉にようやく木の陰に隠れていた震えながら手にナイフを持った豊が出て来た。

「お前がお、俺の萌を取ったのが悪い…」



その言葉にカチンと来た誠は

「萌はてめぇのものでもなきゃ、俺のもんでもないの!萌は萌なんだ!てめぇに萌を渡せる訳ないだろ。避妊すらしない癖に!」

と、吐き捨てるように誠は言う。

「唯ちゃんを利用するだけ利用して、結果的に周りを傷付けて、てめぇは良い子ちゃんかよ!ハッ笑えるねー。クサまでやっといて何やってんの?バカじゃないの?ここまで来たらさっさとやれよ!こるぁっ」

その言葉に

「わ、わぁぁぁぁぁー」

と言いながら、豊は誠にナイフを突き刺した。

誠はドスッと言う衝撃を受け、ジンジンそこから熱いものが込み上げてくる感覚に陥る。

雪に血がポタポタ流れ落ちて行く。

「い、行くぞ!!」

その言葉で、暴行をした6人と豊は走り去って行く。

じわじわと熱いものが広がって行く感覚がする。



(萌…)


萌の顔を浮かべ

(あーあ…クリスマスにこんな事やるとかホントバカじゃねーの…でも、こうやって今意識あるって事は急所から外れたんだよな?)

ポケットにあるものを思い浮かべる。


萌に会いたい。

死ぬ前に一目で良いから会いたい。

このままでいたら凍死の前に出血性ショックか…と、苦笑いしながら、寒さと痛みに震える手で、コートの中から防犯ブザーを出し、紐を引き抜いた。


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