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手を繋ごう~愛憎Ⅱ~(復旧版)
第29章 血と機転と夢
(まこちゃん、早く帰って来ないかなぁ…)
いつもなら、この時間には帰ってくる筈なのに帰って来ない。
しかも、今日はクリスマス。

もう、誠が好きなチーズケーキを作って待ってるのに…。
リビングにあるテーブルに頰ついていた。
(どうしたんだろ…)
そう思っていたら、SNS用の着信音が鳴り響いた。
(ん?なに?)
表示を見ると、防犯ブザー用の誠のSNS。
(え?!なに?!)
そう思い、メールの地図を開く。
「私の家の公園の近くっ」
悲鳴を出した萌に、部屋から出て来た早苗が
「行きましょう。今ママが救急車呼んだから」
その言葉に、ハッと、何かあった時のためにと、中学三年生の頃取った、救命救急の資格の知識を思い出し、咄嗟に浴室に飛び込みバスタオルを三枚ほど用意し、萌達は走り出す。

雪の氷に滑りそうになりながらも、公園に着いた萌と早苗。
ピーピーピーピーと防犯ブザーが鳴り響いているが、人気がない。
「まこちゃん、紘くん、波留くんっ」
悲鳴を上げる萌。

早苗は
「まこちゃんの方に行って!早く!」
と、波留と紘の脈を取り、スマホをまた取り出した。
「まこちゃん!」
駆け寄って、状態を見る。

「ひどい…」
少しパニック状態に陥ったが、ブザーをまず止め、ナイフが刺さってる部分を見てバスタオルで必死に円状にし、ナイフの周りを固定する。
余分な出血がないようにすると教えられた止血法だ。
「も…え…。ははっ、あ…会い…会いたか…った…」
そう笑いながら話す誠に萌が
「ちょっと黙ってて!」
その固定してる手に重なる誠の手。
「まこちゃん、苦しいけど、そのままで待ってて!今救急車来るから!!」
「も…萌?」
「何よ!黙っててって言ってるじゃないっ!!」
ポロポロと涙が溢れて来る。
「あい…愛してる…」
「まこっまこちゃ…ダメ!早く救急車!救急車来てよ!!」
金切り声を出しながら、
「お願いっ!早く来てぇ…早く来てよ…」
「も…え」
時間が、長く感じられる。
救急車が来て欲しい。
それしか言えない自分に歯がゆさを感じながら、長く感じられた救急車がようやく到着した。
ストレッチャーで運ばれる誠を呆然と眺めながら、萌はへたり込み、手に付いた血を見て、こうしてたら行けないと救急車に乗り込む。
「まこちゃまこちゃんまこちゃんっ!!」

落ち着いてください。と、救命隊員に抑え込まれ、誠の手を握る。
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