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手を繋ごう~愛憎Ⅱ~(復旧版)
第29章 血と機転と夢
ブンとNICUの扉が開く。

萌が医師に駆け寄り

「まこちゃんはっ?まこちゃんはどうなんですか?」

と、萌はゆうの言葉を聞いてなかったようで、医師に聞き出す。

青い処置服を着た医師が、マスクを外し

「萌…さんって君かな?」

と、萌に聞く。

「そ、そうですけど…」

医師が笑いながら

「今は麻酔で眠らせてるけど、処置してる時にね、萌さんの名前をずっと言ってたんだよ」

と、言うのに、萌はかぁぁぁと赤くなる。

「でね。これが、川仲くんを守ってくれたんだよ。これが無かったら、急所にナイフが入ってた」

そう言って渡されたのは、ナイフで傷は付いて、血が付いているが、穴が空いてもいない正方形状の箱。

パカッと開けると青いケースが入っていて、それをまた開けると…

ポタポタと涙が溢れて来る。

そこに入っていたのは王冠が付きピンクゴールドでコーティングされたピンキーリングだった。


亮が

「負傷した誠くん、瀕死状態で萌ちゃんにプレゼント…なんて、キザだねぇ」

なんて笑いながら言う傍ら、

「そう言う事を言うんじゃないの!」

と、かなが目を赤くしながら、亮の頭をパチンッと叩く。

亮が気を取り直して

「多分、ここ良いぞって教えた店のもんだ。いきなり聞かれてびっくりしたけど、もう二ヶ月位経ってんじゃないかな」

萌が振り向き

「ご褒美プレゼント…」

と、呟いた。

「結果的に、萌ちゃんが誠を救ったんだな…」

真面目な顔をして隆は言った。

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