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手を繋ごう~愛憎Ⅱ~(復旧版)
第31章 戦士達の再会
ジャラジャラ…

神社の鐘を、紘が代表し鳴らし、萌、波留、紘、夏子と並んで、パンパンと手を叩きお参りをする。

先に祈願を終えた波留は、隣で、ググッとシワを寄せ、真剣な表情でお祈りをしている萌に

「…なに、そんな力入れて祈ってるの?」

聞いた所で、理由は分かりきっているが、萌に質問する。

「まこちゃんがこれ以上の怪我とかしないように祈ってるのっ」

ほら、予想通りの答え。

波留は萌の表情に内心笑いをこらえながら、

「大丈夫だ。警察も動いてるし。俺らも対策練ってるから。誠をあんな怪我まではもうみんなしない。」

萌の頭をくしゃっとして、波留は淡々と言う。

萌は少し戸惑った後、ニコッとした笑顔で

「ありがとう」

と言った。

その表情を見て、ドキンと、胸が高鳴る。

(封印をした筈なのに。くそ。誠のリア充野郎。)

誠が萌を好きだと気付いた、4月。

すんなり自分は距離を置いた筈なのに、たまに、萌は波留の心を高鳴らせる。




入学式が終わり、誠と萌が何か話をしている事は知っていた。

萌は波留の席の前に座っていたからだ。

人の顔を認識するのが得意ではない波留は、入学式後は少し場を流し気味にして過ごしていた。

あとあとで友達の一人や二人位出来るだろう…そう思っていて、他の周りの新しいクラスメイトもそう思っているのか、大人しく席に座ってる。

その中で、異彩を放つ二人。

果てしなく、騒がしい二人のやりとりに、

(うるせぇ…)

そう思いながら、騒がしい方に目を見やると、まだ名前の分からない誠と、何か話し合っていた萌。

波留は、その横顔に惹かれた。

しかも、その女の子は少し栗色の、内巻き気味になっている髪を揺らしながら、前の席に戻ってくるじゃないか。

名簿を取り出し、必死に名簿を追い、出席番号が同じの、隣に名前が並んでいる名前を確認する。

(高橋…萌…)

少しふわふわしてる髪に少しだけ栗色の頭。

(地毛…か?)

太陽に当たると、栗色はより一層色が浮き立つ。
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