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手を繋ごう~愛憎Ⅱ~(復旧版)
第32章 退院後はメイド姿で
(まぁ、生きているだけで良いんだ。こいつといるだけで…)
と、誠は思いつつ、久々の萌のアパートに入る。
昨日、早苗が病院に来て、「明日から出張で迎えにいけなくてごめんね」
と、言われていた。
誠自体は刺されたあと、二週間くらいは眠くて仕方がなかったが、傷が癒えるにつれ、ピンピンしている。
「おばさん、大丈夫ですよ。もう対策、立ててますし」
と、紘が、どこかからもらって来た、ビニールに入った砂を数個出した。
相手が鈍器や凶器を持っていたとしても、それに乗ったら本末転倒。
今、自分達が出来るのは、悔しい事だけど防衛と、少しばかりの反撃。
襲撃に遭い、誠も苛々していた。
何かあって、隙が向こうにあれば、こちらも反撃してやる…と決めていた。
誠はゆうに怒られて以来、改心し、喧嘩っぱやい姿勢を取らないようにしていたが、萌に何かあれば、誠はまともでいられる自信はない。
(正当防衛って言う感じなのを考えましょう)
と、腹に決めていた。
萌が、
「どうする?もう、チーズケーキ、食べちゃう?」
と聞くのに、メイド姿のベビードールを着せたい誠は、
「久々に、お風呂一緒に入っちゃおうか」
と、耳打ちする。
かぁ…と赤くなった萌は、鞄の中をガサゴソし、
「はい、これ」
と、何かを手渡して来た。
見てみると、袋には先ほど行っていた神社の名前。
そういや、波留と萌が何か、目配せをして、ニヤリとしていたなぁ…と思い、何か木造で出来ていて、太い紐がその下に伸びているのを手触りで感じる。
ガサッ
袋から、それを出し、ピシリ…と誠は固まる。
他の人から見れば可愛いお人形にしか見えないのだが、何度も言っているように、誠はスプラッタやホラーを苦手としている。
にこやかに笑っている女の子の人形が、誠には末恐ろしい何かに感じた。
そう、スプラッタやホラーのジャンルに苦手意識を持ったキッカケは、日本で活躍する芸能人の怪談話を小学生の頃、興味本位で聞いてから。
しかもそれはその人形を持つと不幸な目に遭う…と言う顛末からであり、それからと言うもの、メリーさんと言った大衆の怪談まで、誠は毛嫌いしている。
そんな訳で
「ひ、ひぃぃぃぃ〜!!」
と、一度萌にその人形を押し付け、逃げ惑う。
と、誠は思いつつ、久々の萌のアパートに入る。
昨日、早苗が病院に来て、「明日から出張で迎えにいけなくてごめんね」
と、言われていた。
誠自体は刺されたあと、二週間くらいは眠くて仕方がなかったが、傷が癒えるにつれ、ピンピンしている。
「おばさん、大丈夫ですよ。もう対策、立ててますし」
と、紘が、どこかからもらって来た、ビニールに入った砂を数個出した。
相手が鈍器や凶器を持っていたとしても、それに乗ったら本末転倒。
今、自分達が出来るのは、悔しい事だけど防衛と、少しばかりの反撃。
襲撃に遭い、誠も苛々していた。
何かあって、隙が向こうにあれば、こちらも反撃してやる…と決めていた。
誠はゆうに怒られて以来、改心し、喧嘩っぱやい姿勢を取らないようにしていたが、萌に何かあれば、誠はまともでいられる自信はない。
(正当防衛って言う感じなのを考えましょう)
と、腹に決めていた。
萌が、
「どうする?もう、チーズケーキ、食べちゃう?」
と聞くのに、メイド姿のベビードールを着せたい誠は、
「久々に、お風呂一緒に入っちゃおうか」
と、耳打ちする。
かぁ…と赤くなった萌は、鞄の中をガサゴソし、
「はい、これ」
と、何かを手渡して来た。
見てみると、袋には先ほど行っていた神社の名前。
そういや、波留と萌が何か、目配せをして、ニヤリとしていたなぁ…と思い、何か木造で出来ていて、太い紐がその下に伸びているのを手触りで感じる。
ガサッ
袋から、それを出し、ピシリ…と誠は固まる。
他の人から見れば可愛いお人形にしか見えないのだが、何度も言っているように、誠はスプラッタやホラーを苦手としている。
にこやかに笑っている女の子の人形が、誠には末恐ろしい何かに感じた。
そう、スプラッタやホラーのジャンルに苦手意識を持ったキッカケは、日本で活躍する芸能人の怪談話を小学生の頃、興味本位で聞いてから。
しかもそれはその人形を持つと不幸な目に遭う…と言う顛末からであり、それからと言うもの、メリーさんと言った大衆の怪談まで、誠は毛嫌いしている。
そんな訳で
「ひ、ひぃぃぃぃ〜!!」
と、一度萌にその人形を押し付け、逃げ惑う。