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手を繋ごう~愛憎Ⅱ~(復旧版)
第4章 話し合い
「それより、お前、萌ちゃんと付き合い始めたんだって〜?」

と、肘で脇腹を軽くグリグリする亮。

「あ、ははは」

(こんな早く噂が広まるなんて…)

と、誠は思う。

「どこから聞いたんですか?」

「俺はクラスの奴から」

「マジかぁ〜…」

誠は額を抑える。


「その人誰に聞いたって…」

「ん?お前のクラスの奴だよ?ほら、サッカー部の…」

誠はそのクラスメイトの顔を思い浮かべて

「あいつぅぅぅぅ〜」

と、項垂れた。

(俺の仲間はなんでそんなに口が軽いんだ…)

友人の高辻波留だった。

「いや、お前ら1ヶ月前、すっげぇ険悪モードだったじゃん?だから、なんか嬉しすぎるって、抱き着かれたって言ってたぞ?」

「俺に抱きつきゃ良いのに…」

誠は項垂れると、亮は

「お前ら愛されてんだよ」

と、背中をポンポン叩いた。

「しかも、お前、萌ちゃんの事大好きだもんな」

「…はっ?!なんで知ってるんすか?!」

誰にもなにも教えてない筈なのに!

そう思い聞いてみたら

亮はニヤリと笑って

「バレバレなんだよっ!お前!」

と、バンッと背中を叩いた。

「いでっ!」

ああごめんごめん。と亮は言った後

「全体練習の時、女子にはそんなに口を利かないお前が、萌ちゃんを見て、パッと顔を輝かせて、話かけてるし?」

「ゔっ」

「萌ちゃんがいいっていいってって言ってんのに、萌ちゃんのオーボエケース、準備室に運んでるし?」

「ゔゔっ」

「にも関わらず、何を話そうかしどろもどろになって、やっぱ良い!とか言いつつ、目で追ってるし?」

「ゔゔゔっ」

「バーレバレッ!!」

亮はニヤリと笑った。

「やぁぁ〜それで、俺ゆう先生に怒られたんすよ。朝電車の片隅で誰も見てないだろうから大丈夫かと思って、なんか、ずっと萌とキスしてたら、クラスのヤツに見られちまって、朝と昼にこっぴどく」

「ぶははははっ!!」

亮は笑う。
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