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手を繋ごう~愛憎Ⅱ~(復旧版)
第33章 オーボエが鳴り響く放課後
シンとした廊下を歩く。

唯が通学していた10月までは、まだ廊下が暖かかった為か、廊下で騒ぐ生徒が多かったこの廊下も、1月に入り、廊下に暖房が入ってない為か、いる生徒はいない。

康之は隣にいてくれ、どうやら一緒に教室へ入ってくれるらしい。

唯はどこかホッとした気持ちを持ちつつ、教室の前に立つ。

ドキドキと、また体に緊張が走る。

頭の中が、どうしよう…の中で、康之が

「大丈夫か?」

と、声を掛けてくれたお陰で

「…うん。ありがとう…」

呟く様に言う。

気持ちが内に入りそうなのが、どうにか外へ向けた。

康之の存在にありがたさを感じつつ、ざわざわしている教室の扉を開く。

唯が教室へ踏み入れると、シーンと教室が静まる。

唯は明るく挨拶すべきかどうしようか…迷ったが、ただ無言のままに学校へ行く直前、唯が学校に電話を架け、担任に聞かされた、席替えをした席に座った。

そこでまた、活気が出る教室。

唯は何も声を掛けられないことに、どこかホッとし、担任を待つ。

(萌になんて謝ろう…)

明るくいつも笑って話を聞いてくれた萌。

私はなんであんな事を言ってしまったのだろう…と、保健室でゆうを交えた話し合いをしていた時の事を思い出す。

傷付いた表情を浮かべ、泣きそうな顔で唯の言葉に怒り口調で、唯の頰を叩いた萌。

あの時は、そんな萌の表情を何も疑問を持たずに、ただひたすらに自分の感情をぶつけてしまったけれど、今では、いつも誠の話を嬉しそうな表情でしていた萌に、なんて言葉をぶつけてしまったのだろう…と後悔が過ぎる。

…はぁ…。

深いため息を吐いたその時、担任が教室へ入って来た。

(ゆう先生なら良かったのにな…)

頭に過ぎる。

いつも来てくれたのはゆうだった。

一度、何故担任が来ないかを聞いたが、ゆうは笑って流すだけ。

だから、何となく居心地が悪い、担任との対面。
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