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手を繋ごう~愛憎Ⅱ~(復旧版)
第33章 オーボエが鳴り響く放課後
担任は心配そうな表情をしながら

「学校へ来た所で、授業は進んでるから、全く分からない状態かもしれない。大丈夫か?」

と言うのに、唯は

「一応、教科書と参考書は…読んで来ました。でも、留年になるから…」

と、俯いて言う。

ゆうに聞いた話だと、単元がもう三つほど離れている所に来てしまってるらしい。

年が明け、自宅で教科書を見て、参考書を見てどうにか理解は出来そうだ…と思っても、補填するための時間は取り戻せない。

それよりも体の事が優先だったため、勉強漬けの日々は送れなく、どちらかと言えば、穏やかに、これからが大変になるから…と、生活リズムを整えながら、両親と穏やかな生活を送った。

「プリントとかを渡せれば良かったんだけどな…。ある意味、学校の存在を一回忘れて、佐藤には過ごしてもらいたかったんだ…」

病院での生活は学校の勉強なんて身に入らない精神状態だった。

「…仕方がない…、そう思ってます…」

唯は俯きながら言った。

「信じたくはないけど、犯人が澤村先生のクラスだから、澤村先生も今、犯人と思われる親御さんと話をしようと動かれているらしいが…澤村先生もどうしようか、手をあぐねている状態なんだ…。犯人も見つかってないしな…」

そう言う担任に

「榎本くん…どこにいるか分かれば良いんですけどね…」

と、呟く様に言うのに、担任は頷き、

「ホント、そうだよな…」

ふと、唯と担任は積もっているグラウンドを眺めていた。

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