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手を繋ごう~愛憎Ⅱ~(復旧版)
第33章 オーボエが鳴り響く放課後
よいしょっと…掛け声を付け、萌を誠の向きに座らせる。

裸だと対面座位みたいだ…と、三日前の熱い行為を思い出す。

あれからやっぱり早苗が帰ってくるまで裸族でいた二人。

ムク…っと股間が勃起しそうなのを誠は気にしない様にしながら、

「萌ちゃん、俺も唯ちゃんも生きてるんだから、そんなに怒らないで?」

と言う。

誠を上目遣いで見ながら

「だって、なんでそこまで出来るか考えるだけで…」

と言うのに被せる様に

「俺だってそう思うよ?あいつがなんで俺を刺したか…そう考えるだけでも反吐が出そうだ。けど、そればっかり気にしてたら、相手の思う壺だろ?あいつがやってるのは、恐らく、自分の存在を認識してもらいたい…とか、お前を手に入れたい…とか…こちらにしたら自分勝手な思いばかりでやってんだから。でも、それと、お前の生活を天秤にかけたらどっちが大事だ?」

誠は萌に問い掛ける。

「…私の、生活…」

萌は呟く様に言う。

「だろ?俺が言うのもなんだけどさ。お前と揉めてた時に、ゆうちゃんから「思いっきり高校生活を楽しみなさい」って言われたんだ。今、お前の体とかさ、色んなのが危険に晒されてるだけでも俺は怖い。けど、守ってくれてる仲間がいるんだから、まずは楽しもう?怒るのも分かるし、あいつがめちゃくちゃ愚かに俺は思う。だけど…」

そう言った時に軽くチュッとキスをされる。

「ありがと、まこちゃん…」

朗らかに笑う萌に誠は

(あーもー説得力ねーのに…萌ちゃん素敵…)

もっと説得力のある言い方が出来る男になってやる。と誠は思いつつ、ぎゅーっと、萌を抱き締める。

好きな人の前ではカッコ良い所を見せたい。

隆が美咲の元カレをこてんぱんにした時のように。

甘えたい時は甘えるけど、何か決める時は颯爽とした大人になる。と、誠は思う。

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