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手を繋ごう~愛憎Ⅱ~(復旧版)
第33章 オーボエが鳴り響く放課後
(結局、萌と会えないまま放課後になっちゃった…)
学校の外では、大粒の雪が綿のようにハラリハラリ…降っていて、ドサリ…と、学校の屋根から積もった雪が落ちる。
唯はゆうから音楽準備室の鍵を特別に貸してもらい、薄暗い廊下を歩きながら、外の風景をぼんやりと眺めながら歩いていた。
昼にも隣のクラスに行こうか…そう思ったが、中々勇気が出なく、実際なんて話を切り出して、どう話せば良いのか…そう考えていた。
昼休み、よほど真剣に考え込んでいたのか、康之が廊下出入り口すぐの唯の席を通りかかり、
「なした?」
と、声を掛けられた。
「ん…入院の前に…喧嘩しちゃった友達がいて…謝りたいけどどう切り出したら良いのか分かんないの…」
と、唯は萌に対して嫉妬していた事をそのまま言葉にぶつけてしまった事を康之に語る。
朝の事もあってか、唯にとって、康之の存在は少し気の許せるクラスメイト…と言う印象を持った。
入院前、仲の良かったクラスメイトはやはり遠巻きに唯を見るだけ。
(まぁ仕方がないし、その方が気が楽…)
と、思った唯は、積極的に話しかける事はしない。
明日からまた、豊の事件が終息に向かうまでの間部活はないし、授業を実際に受けてみて、やはり分からない事が多い…と実感した唯は、四月からまた学校に来る事を約束したばかりだった。
康之はうーん…と考えるように
「ごめんねだけで良いと思うよ?」
と、唯に言う。
「でも、それだけだったら萌が納得してくれるか分かんないし…」
そう唯が言うと
「逆にさ、それで、喧嘩がまた勃発する可能性があるだろ?…佐藤は高橋とどうなりたいんだ?」
と、康之は言う。
「…一緒にまたオーボエが吹きたい…それだけ…」
唯は呟くように言うと
「したら、それで良いじゃん。オーボエまた一緒に吹きたいって。それで許してくれる子はきっと佐藤の本当の友達…だと思うよ?」
そう言う康之に
「…そうなのかな?」
と、聞くと
「そんなもんです。」
と、康之はにこりと笑う。
学校の外では、大粒の雪が綿のようにハラリハラリ…降っていて、ドサリ…と、学校の屋根から積もった雪が落ちる。
唯はゆうから音楽準備室の鍵を特別に貸してもらい、薄暗い廊下を歩きながら、外の風景をぼんやりと眺めながら歩いていた。
昼にも隣のクラスに行こうか…そう思ったが、中々勇気が出なく、実際なんて話を切り出して、どう話せば良いのか…そう考えていた。
昼休み、よほど真剣に考え込んでいたのか、康之が廊下出入り口すぐの唯の席を通りかかり、
「なした?」
と、声を掛けられた。
「ん…入院の前に…喧嘩しちゃった友達がいて…謝りたいけどどう切り出したら良いのか分かんないの…」
と、唯は萌に対して嫉妬していた事をそのまま言葉にぶつけてしまった事を康之に語る。
朝の事もあってか、唯にとって、康之の存在は少し気の許せるクラスメイト…と言う印象を持った。
入院前、仲の良かったクラスメイトはやはり遠巻きに唯を見るだけ。
(まぁ仕方がないし、その方が気が楽…)
と、思った唯は、積極的に話しかける事はしない。
明日からまた、豊の事件が終息に向かうまでの間部活はないし、授業を実際に受けてみて、やはり分からない事が多い…と実感した唯は、四月からまた学校に来る事を約束したばかりだった。
康之はうーん…と考えるように
「ごめんねだけで良いと思うよ?」
と、唯に言う。
「でも、それだけだったら萌が納得してくれるか分かんないし…」
そう唯が言うと
「逆にさ、それで、喧嘩がまた勃発する可能性があるだろ?…佐藤は高橋とどうなりたいんだ?」
と、康之は言う。
「…一緒にまたオーボエが吹きたい…それだけ…」
唯は呟くように言うと
「したら、それで良いじゃん。オーボエまた一緒に吹きたいって。それで許してくれる子はきっと佐藤の本当の友達…だと思うよ?」
そう言う康之に
「…そうなのかな?」
と、聞くと
「そんなもんです。」
と、康之はにこりと笑う。