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手を繋ごう~愛憎Ⅱ~(復旧版)
第33章 オーボエが鳴り響く放課後
「じゃあなんで、まこちゃんが行くのよ!」

と、萌が言うのに

「このままだとあいつが浮かばれないからだ…」

と、悲痛な面持ちで誠は言う。

「浮かばれない…でも、まこちゃん刺されてるんだよ?そこまで榎本くんの事考える必要ないじゃない!」

萌も悲痛な面持ちで言う。

「…俺には本当の母さんの記憶がないから…だから…血の繋がってる母さんがいるあいつが羨ましいんだよ!どれだけ痛い目にあったとしても…将来、離れて暮らしたとしても…生きてりゃ会えるんだ。その為に…意味がない事かもしれないけど…俺、行きてぇんだ…」

そう言う誠に、ぎゅっと萌は誠を抱き締め、ボロボロと涙を流しながら

「そしたら、私も連れてって!どれだけ、傷付く言葉を言われたとしても、私、落ち込まない。だからっ!…まこちゃんの側にただいたい…」

そう言う萌の涙を拭いながら

「ばぁか…泣くなよ…今は親父も義母さんもいるし、お前がいるだけで幸せなんだから…」

と、呟く様に言う。

「うん……うん……」

誠の胸を涙で濡らす萌に、チュッと軽くキスをし

「俺の帰りを待ってて?俺のお姫様…」

と、ぎゅーっと、萌を抱き締める。

萌は、誠の事件から片時も外した事のないピンキーリングを見ながら、

「……ん……」

と、頷く。

「その時、またいっぱい、ご褒美、頂戴?」

と言う誠に

「わかった…」

と、萌から深いキスをする。

また、誠は萌に覆い被さり、この日も明け方まで、二人は愛し合っていた。
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