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手を繋ごう~愛憎Ⅱ~(復旧版)
第34章 誠の涙
千佳は、自分が経営をしているスナックのカウンターに座り、自分で割った焼酎を飲んでいた。
ここは都心から離れた村。
豊が薬物使用のために家に家宅捜索が入った…その事はすぐに村中に伝わり、その前までは頻繁に尋ねて一緒に呑んでいた、村民である客が、全く寄り付かなくなった。
豊の父親と別れた千佳は、この村にある実家に戻った事はあるが、世間体を気にする親に、離婚の原因が豊の父親の不貞によるもので、「どうして結婚する前にそんなヤツだったか見抜けなかったのか」だの、「出戻りが恥ずかしくて仕方がない」と、何かあればすぐに噂が飛び交うこの町に、両親の言葉が突き刺さり、木造のアパートに小さかった豊と一緒に暮らし始めた。
ーどんな親だとしても大好きなのには変わりねぇ
昼間来た、息子の被害者だと言う男子の発言を思い出し、
「クソガキ…」
呟く。
ロックの氷がカラン…と鳴る。
(私だって…したくてやっていた事では無かった…)
離婚をしてから、五年間、豊の父親に瓜二つの豊に豊の父親に対する恨み言が激しくなり、豊に暴力を振るう事で鬱憤を解消していた。
けど、豊に暴力を振るう事で何かが解決する…そんな事は起きない…根本的な間違いに気づいてはいたものの、暴力を振るい、酒を飲み、慰謝料でブランド物の服を買い込む…それしか、劣情を解消する事は出来なかった。
豊の父は不貞が発覚するまで、浮気をしてる事すら勘付かせずに、豊にも千佳にも「良い父親」「良い夫」であり続けた。
だから、「裏切られた」時のショックは大きかった。
しかも、幸せな家庭を築いていた家庭を壊してまで、不倫相手の所へ行った。
何度引き止めただろう。
騙されてるのではないか。何故自分たちを捨ててまでそっちに行くのだ…と。
返ってきた言葉はなく、何も言わない豊の父親に見切りを付け、嫌々ながら離婚届を出した。
その後はただ無言のまま、千佳の口座に慰謝料や養育費などが振り込まれた。
(卑怯者。薄情者)
ここは都心から離れた村。
豊が薬物使用のために家に家宅捜索が入った…その事はすぐに村中に伝わり、その前までは頻繁に尋ねて一緒に呑んでいた、村民である客が、全く寄り付かなくなった。
豊の父親と別れた千佳は、この村にある実家に戻った事はあるが、世間体を気にする親に、離婚の原因が豊の父親の不貞によるもので、「どうして結婚する前にそんなヤツだったか見抜けなかったのか」だの、「出戻りが恥ずかしくて仕方がない」と、何かあればすぐに噂が飛び交うこの町に、両親の言葉が突き刺さり、木造のアパートに小さかった豊と一緒に暮らし始めた。
ーどんな親だとしても大好きなのには変わりねぇ
昼間来た、息子の被害者だと言う男子の発言を思い出し、
「クソガキ…」
呟く。
ロックの氷がカラン…と鳴る。
(私だって…したくてやっていた事では無かった…)
離婚をしてから、五年間、豊の父親に瓜二つの豊に豊の父親に対する恨み言が激しくなり、豊に暴力を振るう事で鬱憤を解消していた。
けど、豊に暴力を振るう事で何かが解決する…そんな事は起きない…根本的な間違いに気づいてはいたものの、暴力を振るい、酒を飲み、慰謝料でブランド物の服を買い込む…それしか、劣情を解消する事は出来なかった。
豊の父は不貞が発覚するまで、浮気をしてる事すら勘付かせずに、豊にも千佳にも「良い父親」「良い夫」であり続けた。
だから、「裏切られた」時のショックは大きかった。
しかも、幸せな家庭を築いていた家庭を壊してまで、不倫相手の所へ行った。
何度引き止めただろう。
騙されてるのではないか。何故自分たちを捨ててまでそっちに行くのだ…と。
返ってきた言葉はなく、何も言わない豊の父親に見切りを付け、嫌々ながら離婚届を出した。
その後はただ無言のまま、千佳の口座に慰謝料や養育費などが振り込まれた。
(卑怯者。薄情者)