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手を繋ごう~愛憎Ⅱ~(復旧版)
第7章 男の会話
「けど、一年半前くらいから、一点だけをぼんやり見ている時が出て来たんだ。
どうしたのか聞いても、なんでもないの一点張りで、こちらもお手上げさ」

と、隆は苦笑いして言った。

そんな隆に

「俺、なんも気付かなかった……」

と誠は呟くように言う。


「そりゃそうさ。お前と美咲の接点は部活しかないんだしな。顔を合わせるのも部活だけだろ?多分高橋さんも気づいてない。」

そう言う隆に誠はハッとした

昨日見せた


ーー「うん…そうなんだよね……」

何か思い出したように、顔を曇らせる萌の姿を。


(あいつ、何か知ってる?)

誠はそう思い、

(後で聞いてみよう…)

そう考える。


隆が呟くように

「あいつがさ、他の男と付き合うようになって、俺、すごく後悔したんだ。
なんで、早く言わなかったんだろう…って。」

と言う。

誠は

「それは俺も一緒ですよ。なんせ、俺、萌に痴漢してましたから」

と、苦笑いして言った。

「と言うか、なんでお前、痴漢なんかしたんだ?」

隆が本心を言って来たので、誠も、

「ブラジャーが透けていたから」

くらいしか言ってなかった、理由を話してみることにした。


「あぁ…なんて言えば良いんですかね…。周りからしてみたら、性が暴発した…みたいな感じに映るかもしれないんですけどね。つぅか、俺もそうしか話してなかったんですけど。」

と、苦笑しつつ

「俺、自分に自信が無かったんですよ。」

と言った。

隆は

「自信?」

と聞く。


「俺、小さい時に大病患ったんですよね。なんか血が止まらなくなって、輸血したこともあったりして。」

そう言う誠に

「血液の病気か?」

と、隆は言う。
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