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第9章 偽彼作戦

放課後、美咲を呼び出した日の事。

ようやく落ち着いた美咲が、隆と共に誠達の元へやって来た。

「ごめんなさい。取り乱してしまって…」

そう言う美咲はいつもの活発な美咲ではない。

萌は

「大丈夫ですよ…私だって、こんな事で呼び出されたら、取り乱します」
と言った。


誠は

「美咲さんを呼び出したのは、言うまでもなく、美咲さんの彼氏さんと、美咲さんのことです。本当は余計なお節介なのかもしれませんが、事が事なので、すみません、萌使いました。」

と言う。


「ううん。良いの！私もちゃんとハッキリしなきゃ…って思っていたし、多分このままでいたら、私が壊れてた…。」

「本当に高橋さん、感謝してる…」

隆が言うのを

「いえいえ！こんな事他人事で済まされませんから」

と、萌が言った。

「…それで、どうする？」

隆は誠に言う。


「呼び出して、話し合い…それが良いと思います。二人だけなら話し合いにもならないと思うので…」

誠は呟くように言う。

「俺の出番ってことで良いんだな？」

隆は美咲の顔を見て、そう言った。

美咲は

「……隆にはすごく悪い事すると思う…。けど、私だけだと別れられない……」

と言った。


「懸念する事としたら…今ゆう先生が高橋さんと誠に心配するような事か？」

隆が言うのを誠は俯き加減で

「……そう言う事になると思います……」

と言った。

萌は

「え…まこちゃん…？」

そう言う萌を誠は無視をする。


隆は

「ま、うちは隣同士だしさ。なんかあれば美咲の事守れる自信あるし」

と、笑いながら言う。

「で、でも、隆が…」

そう言う美咲に

「俺、すごく心配、してたんだぞ？少し位カッコ良い事させてくれよ」

と言った。

少し間が空き

「うん……ありがとう」

美咲は隆に言う。


「それで、お前の作戦とやらを教えてもらおうか」

隆が言うのに誠が口を開く。









「「「……はぁ？」」」

誠以外の三人の声が学校の裏庭に木霊した。