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連攣鎖(つれづれぐさ)*
第32章 アバンチュール
「あの時に帰りたいなぁ、もうおじさんになっちゃったよ。」
「そう?その割りには元気だけど?」
彼の顔が一気に赤くなり破顔します。
私が腰を揺すって、私たちの間で存在を主張するカレの存在を示したから…
「ああ、貴女にはやっぱり敵わないや。
そんな貴女も好きだけど…
仕方ないじゃん、貴女が側にいるだけで反応しちゃうんだから…」
彼がやけくそ気味に吐露します。
鏡のような…どちらが動き、どちらが呼応して動くのか、
自分を見ているようで相手を見ていて、
相手を見ていながら、自分のようで…
あの時から感じていた親近感はまだ忘れてはいませんでした。
終電には十分余裕を持って店を出たはずですが、もう何本も電車はありません。
「う〜ん、貴女を見送りたいけど、呼び止めてしまいそうだから…
次に電車が来たほうが先に帰る。
それでいい?」
「う…ん…」
彼は、最後とばかりに長く熱く深い口づけをしてくれました。
ドラマじゃあるまいし、ホームで1時間以上も着いては離れ…を繰り返している私たち…
ふと、言葉にしました。
「ドラマじゃあるまいし…」