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連攣鎖(つれづれぐさ)*
第33章 カラオケボックス
隣に座って、もらい玉して減らすのを手伝います。
「本当に飲みに行ってくれるの?皆、待たせてるの?」
もうさっきまでの公の顔など皆無です。
「皆、帰しましたよ。私と二人じゃ嫌ですか?」
「そんなことはないけど…」
さっさと玉を使いきり、近くの焼き鳥屋に入りました。
気兼ねなく食べたいものを食べて、飲んで…
一軒目もリラックスしていたと思うのですが、
やはりトップとしての立場を優先させることが多く、『こんな楽しく飲んだの久しぶりだなぁ』と、飲みたい日本酒を飲んでいました。
仕事や会社の人の話、家庭の話もせずに、ただ食べ物の感想、お酒にまつわる旅行の話などをしながら飲みました。
30分もしないでお腹が満足して店を出ます。まだ飲み足りないといった感じです。
「まだ、8時台だなぁ。」
「次、どこ行きますか?」
「次に行くの?」
「時間も早いし飲み足りないんでしょう?ボックス行きますか?」
「カラオケボックス?」
「はい、歌はお嫌いですか?」
「いや、昭和の歌しか知らないし、ボックスなんて行ったことがないんだよね。」