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連攣鎖(つれづれぐさ)*
第44章 つれづれなるままに

思えば、年の離れた彼はあと一年で定年です。
今なら社内メールで連絡することが可能です。
知らず知らずに意識していたのでしょうか…

連絡をとったところで、簡単に会える距離ではなく、会うことはないでしょう。

そう思えば、互いの近況報告くらいしてもいいのではないかと思いました。

そう思ってもしばらく連絡とらずにいて半月くらいが経ちましたが、ふと思い立って、自分の連絡先をメッセージに入れて送りました。

1日、2日と経っても返信はありません。
私が思うように彼が思っているとは限りません。
もう、連絡すら取りたくないと思われていても仕方のないことです。


3日目の終業直後に突然携帯に電話がかかってきました。
登録のない番号でした。
出れば彼で、事務室を出て話をしました。

『突然、どうしたの?』

『お子さん何人いる?』

彼からの質問はそれだけで、『あと1年ちょっとで退職だから、もう連絡とれないままになってしまうと思い…』と正直に答えました。

私への質問はそれだけで、ほとんど彼が話してきました。15分程度でしたが、それだけでは語りきれないほどの内容を聞かされました。


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