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連攣鎖(つれづれぐさ)*
第47章 待望のデート
「あなたのことが好きだって、真剣に告白したのに…」
………
小さい店で、背中合わせでカウンターの人とぶつかっちゃいそうなスペースで…
他人に聞かれたくないから…
以上の計算された間合いと囁き具合で恥ずかしくなるような台詞を大好きなハスキーな声で言われたら…
ボムッ…
と爆発音がして頭にハートマークが浮き上がりそうで…
何だろう…これ、乙ゲー?な世界に連れ込まれ、
一言も返せなかった私。
さらにそんな私を見てニヤリと余裕の笑みを浮かべ、
「姉さん、覚悟は出来てるってことでいいよね?」
明るく追い討ちをかけてくる。
どこから涌いて出てきたんだろう。この恐ろしく可愛い生き物…
「うん…ワイン無くなっちゃったね。赤入れる?」
「いや、次に行けばいいんじゃない?店(飲み屋でないけど敢えてそう呼ぶ彼…)知ってる?」
窓から見える通りを指して、
「ん…実は、近いところをわかってて、この店チョイスしてたりする。」
彼はクスッと笑ってスマホを弄る手を止めて、
「じゃあ、検索しなくていいね。姉さんに任せた。
早く行こう?」
なんてスマートに会計を済ませる彼。