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連攣鎖(つれづれぐさ)*
第47章 待望のデート
何だろう…ずっと恋愛ゲームみたいなやりとりにヤラレッ放しで店を出た。
そして計算されたような小雨に傘を開けば、これまた計算だろうと傘を持たない彼が入ってきて、
……普通ここは傘を持つでしょ?…
に、高い背を丸めて顔を寄せてきて、肩に手を回される。
5分もかからず見える小綺麗な入口に、
「来たことあるの?」
と聞かれ、
「駅のホームから綺麗そうなの見えるから…」
と、用意周到な私を満足気に見てまた笑う。
そしてさっさと部屋を選びエレベーターを呼んで、
『奥にどうぞ』と指を揃えた手を出して誘導される。
部屋の扉を開けて入ると横長の不思議な造りで、正面がバスルーム、左手前に洗面台、で…扉を開けたらトイレ…
「あれ、部屋がない。」
くるりと向きを変えて彼が扉を開ける。
「こちらです。どうぞ?」
と入ってすぐに部屋の灯りを暗めにした。
二人ともヘビースモーカーで、ワインの店は禁煙だった。
彼はすぐさまソファーに腰掛け煙草に火をつける。
急にこっ恥ずかしくなり、
トイレに逃げる私。
戻ると一緒にもう一服した。