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あんなこんなエロ短編集
第16章 飛んでく心

「…………へ」
僕はコーヒーカップを持ち中身を口に流し込み
ながら、間抜けな声を出した。
長い付き合いの恋人・あさみが向かいの席で目を
伏せがちにして、
「ごめんなさい……」と項垂れる。
「へ………あ、えーと…………」
カチャン
コーヒーカップを置いた。
今聞いたのが間違いじゃなければ、
僕は長い間に渡り二股をかけられていたらしい。
全くの他人事のようだ。
実感がないまま、
「……えーと、で……僕は……」
あさみは涙をポロリと溢した。
「うわ!泣かないで!出よう、ね、あさみ」
ハンカチを目に当てる彼女の肩を抱え、
店員がチラリと見るのを無視しカフェを出た。
木枯らしが吹いている。
ーーーーー「えーとつまり、
別れたくはないんだよね?」
コクリと頷くあさみ。
車の助手席で少し落ち着いたようだ。
肩下でカールした黒い髪が艶やか。
こんな時なのに見とれた。
彼女は2年前から同じ会社の男と浮気をしていたという。
ただ僕を嫌いになったわけじゃなく、
できればこのまま付き合いたいと言う。
ウィンカーを出し右折しながら、
ぼんやり考える。
いまいちピンとこない。
浮気されてたのだから、怒って良いのだろうけど怒りも湧かない。
アパート前で彼女を降ろして、
「また連絡するね」という言葉に頷き自宅に向かった。
僕はコーヒーカップを持ち中身を口に流し込み
ながら、間抜けな声を出した。
長い付き合いの恋人・あさみが向かいの席で目を
伏せがちにして、
「ごめんなさい……」と項垂れる。
「へ………あ、えーと…………」
カチャン
コーヒーカップを置いた。
今聞いたのが間違いじゃなければ、
僕は長い間に渡り二股をかけられていたらしい。
全くの他人事のようだ。
実感がないまま、
「……えーと、で……僕は……」
あさみは涙をポロリと溢した。
「うわ!泣かないで!出よう、ね、あさみ」
ハンカチを目に当てる彼女の肩を抱え、
店員がチラリと見るのを無視しカフェを出た。
木枯らしが吹いている。
ーーーーー「えーとつまり、
別れたくはないんだよね?」
コクリと頷くあさみ。
車の助手席で少し落ち着いたようだ。
肩下でカールした黒い髪が艶やか。
こんな時なのに見とれた。
彼女は2年前から同じ会社の男と浮気をしていたという。
ただ僕を嫌いになったわけじゃなく、
できればこのまま付き合いたいと言う。
ウィンカーを出し右折しながら、
ぼんやり考える。
いまいちピンとこない。
浮気されてたのだから、怒って良いのだろうけど怒りも湧かない。
アパート前で彼女を降ろして、
「また連絡するね」という言葉に頷き自宅に向かった。

