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あんなこんなエロ短編集
第19章 man&woman

結婚して3ヶ月が過ぎた頃。
2人でテレビを観ていた。
今も深く覚えている。
『何が』…………きっかけだったのか。
バラエティ番組で、国旗の話題だった。
2人とも格別好きな番組はなく、
たまたま流れていたチャンネルをそのままにしていた。
「国旗なんて近隣の国のしか知らないよなぁ」
井高が言う。
「うーん。あ、あれルーマニア。
あ、あれはパキスタン」
「…………よく知ってるんだな」
わたしはその台詞を褒め言葉だと捉え、
画面に映る国旗の国名を次々言い当てた。
勉強は好きではなかったが国旗だけには詳しかった。
あれは………、これは………、
言い当てながら不穏な空気に気づく。
「…………どうしたの?」
尋ねた時には『遅かった』。
井高は顔を真っ赤にして「君は夫より優位に立ちたい
んだな。
俺を馬鹿にしたいんだな」と唸るように話す。
「え?!そんなんじゃないよ、国旗しか知らないし…」
井高は有名な私大を出ており、
私はといえば地元の短大卒業だ。
だから馬鹿になどするはずがない。
普段と全く違う……怒る井高に戸惑い、
「お……お茶淹れなおすね」
と立ち上がった時。
パチンと音がした。
頬が熱い。
叩かれたのだと気づくまで数秒かかった。
2人でテレビを観ていた。
今も深く覚えている。
『何が』…………きっかけだったのか。
バラエティ番組で、国旗の話題だった。
2人とも格別好きな番組はなく、
たまたま流れていたチャンネルをそのままにしていた。
「国旗なんて近隣の国のしか知らないよなぁ」
井高が言う。
「うーん。あ、あれルーマニア。
あ、あれはパキスタン」
「…………よく知ってるんだな」
わたしはその台詞を褒め言葉だと捉え、
画面に映る国旗の国名を次々言い当てた。
勉強は好きではなかったが国旗だけには詳しかった。
あれは………、これは………、
言い当てながら不穏な空気に気づく。
「…………どうしたの?」
尋ねた時には『遅かった』。
井高は顔を真っ赤にして「君は夫より優位に立ちたい
んだな。
俺を馬鹿にしたいんだな」と唸るように話す。
「え?!そんなんじゃないよ、国旗しか知らないし…」
井高は有名な私大を出ており、
私はといえば地元の短大卒業だ。
だから馬鹿になどするはずがない。
普段と全く違う……怒る井高に戸惑い、
「お……お茶淹れなおすね」
と立ち上がった時。
パチンと音がした。
頬が熱い。
叩かれたのだと気づくまで数秒かかった。

