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あんなこんなエロ短編集
第21章 裏のかお
「名乗るのもどうかと思いましたけどね。



ご迷惑を掛けてしまったので…………」




ピルルルル…♬♬♬




オーナーの携帯電話が鳴る。




「大丈夫ですね?おかしな所があったら直ぐに病院





に行ってくださいね」






早口に伊東に言うと携帯電話に出て、




廊下を走って行ってしまった。







冴子は背中に嫌な汗を掻いている。




(でも……面識はないし、分からないはずよ)





ところが、伊東雪文は冴子の手を握り「お互い言えない




ことがありますな。センセイ」




と囁いた……………………













************************
「それってどうなのよ?」




歩美は眉間にシワを寄せてカシスソーダをぐいっと




飲んだ。




「やっぱり嫌な反応だよね………」




冴子は肩を丸める。





夜のレストラン。





落ち着いた雰囲気の店内。




照明も薄暗い。





歩美の旦那さまは自分の奥さんが夜出歩くことに




寛容だ。




結婚式と新居にお邪魔した時しか会ってないが、





温厚そうな紳士だった。




「ちがーう。




私の性格知ってるでしょ。



今どき婚外恋愛なんて溢れ返ってるから否定しないわよ。



じゃなくて出会いがSMクラブって……」






「えっ、そっち?」
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