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第21章 裏のかお

ーーーー「はあ～」



「吉木先生？飲んでますかー？」



「あ？うん、飲んでる飲んでる！！」



年下の女性教諭から声をかけられ、




ビールをあおった。



最近よくぼんやりしてしまう。





ーーーーー土曜の夜。





〈歓迎会〉である。





料亭の一室を貸し切り、



皆ほろ酔いだ。



歓迎会という名目の飲み会。




普段お堅い職業のため、




アルコールが入ると皆砕けてきていた。





校長が『君、まだ結婚しないのか？』




と女性教諭に笑いかけイヤ～な顔をされている。





（土曜の夜かぁ…………)




大丈夫だとは思う。




もう行かないと約束したのだし。




雪途のことが気にかかり、




時間ばかり見てしまう。





（………トイレ行こう)




どうも落ち着かない。




「はぁ…………大丈夫だよね」



用を足し、




女子トイレを出る。



ドン




「あっ、すみませ……ああ、早瀬先生」




「………ああ………吉木先生肩ぶつかっしゃいましたね、



失礼ひました」




今日の歓迎会の主役・早瀬教諭だ。




中肉中背で髪が長め。




二重の目が大きく、女子生徒から人気がある。





しかし相当酔っているらしい。




呂律が回っていない。




早瀬先生は壁に凭れかかった。




「！大丈夫ですか？」




冴子が駆け寄るとふらふらしゃがみ込む。




「あらー、かなり飲んだみたいね。




立ち上がれます？」




早瀬先生の肩に手を置いた。



するとーーーーーーー