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あんなこんなエロ短編集
第21章 裏のかお
ぐいっと腕を引かれた。




「ひゃっ…………」




膝が落ち、




早瀬先生になだれ込む形になる。




そして、一瞬の間に………冴子の唇は早瀬先生の唇を





塞いでいた。




「ふ…ぐ……………」




早瀬先生は見えているのか?いないのか、



虚ろな目をして冴子の背中を抱く。



熱い口内。




舌が触れ合う。




ぴちゃ




柔らかな舌が絡んだ瞬間、




頭に雪途の悲しげな瞳がフラッシュバックした。





『ここにいて………………』





弱々しい声が蘇える。




黒い部屋。



異空間のように冷たい家。




「んんん…………いやーっ」





冴子は思い切り早瀬先生を突き飛ばした。




早瀬先生は、




赤い顔をして床に倒れる。




そして、「………うー………す~す~」




…………寝息をし始めてしまった………




冴子だとも分かっていないだろう。




「………もう!酔いすぎだわ!



時間………9時!ーーーーー行かなきゃ」




腕時計を見ると、




夜9時。




雪途のところに行かなければ。




ハプニングが伝えてくれたのは、




雪途の孤独。




(そうよ。放っておけないわ!)




冴子はダッシュで宴会場に走り、




校長に詫び(もっとも校長も酔っ払い過ぎて笑って





ばかりいたがーーー)、



料亭を後にした。























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