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あんなこんなエロ短編集
第22章 夏祭り
ーーー「ただいま~」




草履は足が疲れる。




葵衣はくたくたになり、




自宅の玄関を開けた。




祭りだったからきちんと食べてない。




あのあと、





たこ焼きを分けイカ焼きを食べた。




台所に向かい、




コップに水を注いでぐいっと飲む。




「……………あら、




あんた帰ったの」





母が眠そうな顔をして入り口に立っている。



「うん。楽しかった~。




花火綺麗だったよ」





「……………まぁ~、




こんな遅くまでうろうろと………」




母の文句が始まった。




まだ11時なのに!





「ママにもお土産あるよ!」




買ってきたお好み焼きを手渡し、




葵衣はそそくさと2階に上がる。




せっかく良い気分なのに、





文句を言われたら堪らない。





母とは2人暮らしだ。父親はあたしが20歳の時に病気で



亡くなってしまった。





母がねちねち言ってくるのは昔からなので分かっている。





分かっているから上手く退散する。




「あらぁ、私のあるのね」




ほら、ご機嫌。




階段を駆け上がると、




背中に「いいわねぇ、




最近の35歳は…………」




という呟きが届いた。






部屋に入り思い切り戸を閉める。





スマホを取り出し、




ひんちゃんにメッセージを作成した。




「今日は楽しかった!




また行こうね」





ーーー返事は来ない。





「仕方ないか………」




肩を落とす。




掲示板で知り合った高校生なんてこんな



ものか。




葵衣は深いため息をついた。





ーーーまぁいいか。




ひんちゃんがダメなら変わりを探せばいいだけだ。




そう思って浴衣の帯を解き始めると、




メッセージ受信の音がして葵衣は飛び上がった。





























〈終わり〉










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