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あんなこんなエロ短編集
第23章 悲しみが流れてゆく

「おつかれー」
「おつかれ様!」
部署内のそこここから、
安堵した空気が漏れる。
夕方6時半。
小さな工場の事務所に勤める私は、
その空気に肩が軽くなりPCを閉じた。
「柳井(やない)さんおつかれー!
今日しんどかったよね」
現場で働く主任の向坂(さきさか)が困り顔で伸びを
した。
彼女の服装はライン作業者のもので、
合羽を上下合わせたような造り。
なので動くとガサガサ音がする。
「そうね。
でも間に合って良かったわ」
私も眉を下げて返した。
機械のトラブルがあり、
業者を呼んで直してもらったのだ。
ーーーとはいえそんなトラブルは日常茶飯事。
私、柳井深雪(みゆき)は勤めて10年になり、
対処には慣れている。
それでも疲れるんだけれど。
不況の煽りを受け、
小さな工場など風が飛んだら吹き飛びそうだ。
その事務所に勤めていると、現場にも入ることもある。
人を増やさず人を使う。
それが当たり前になっていた。
「いたっ」
立ち上がると腰に痛みが走った。
(今日大丈夫かな……)
少し不安に思ったが、
直ぐに打ち消した。
「おつかれ様!」
部署内のそこここから、
安堵した空気が漏れる。
夕方6時半。
小さな工場の事務所に勤める私は、
その空気に肩が軽くなりPCを閉じた。
「柳井(やない)さんおつかれー!
今日しんどかったよね」
現場で働く主任の向坂(さきさか)が困り顔で伸びを
した。
彼女の服装はライン作業者のもので、
合羽を上下合わせたような造り。
なので動くとガサガサ音がする。
「そうね。
でも間に合って良かったわ」
私も眉を下げて返した。
機械のトラブルがあり、
業者を呼んで直してもらったのだ。
ーーーとはいえそんなトラブルは日常茶飯事。
私、柳井深雪(みゆき)は勤めて10年になり、
対処には慣れている。
それでも疲れるんだけれど。
不況の煽りを受け、
小さな工場など風が飛んだら吹き飛びそうだ。
その事務所に勤めていると、現場にも入ることもある。
人を増やさず人を使う。
それが当たり前になっていた。
「いたっ」
立ち上がると腰に痛みが走った。
(今日大丈夫かな……)
少し不安に思ったが、
直ぐに打ち消した。

