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第23章 悲しみが流れてゆく

サリーという源氏名は、



本名が深雪だからかけ離れたイメージにしようと




思って付けた。




サリーになると見た目もギャル化し、




見た目が変わると人間中身も多少変わるらしく




可愛らしくなっているのが自分でも分かる。




溌剌とした落ち着きのなさというか………



「………ここ、良いんだ？？



気持ちよくしてあげる」




客の男は受け身なタイプらしい。




私がそう言うと顔を真っ赤にし、




腰を突き出してきた。





ーーー素早く手を動かしながら、




脳裏にあの人の事が浮かぶ。





２年付き合った。




私は結婚も視野に入れており、





工場にいてもどこか華やいでいたものだ。





結婚すれば生活が変わる。




年齢的に夢を夢を見ていたわけでもない、




生活を共にするのは大変なことだと知っていたし、




大変さを彼と共有したかった。




ある日突然連絡が取れなくなり、




彼が忽然と姿を消すまでは嬉しい毎日だったのだ………